【第1話】ヒラタさん(仮名) [お茶屋@和の修行日記]
*これは、かれこれ7年くらい前の
*お茶屋のお話。
15時になるといつもやってくるヤマト便の運ちゃん、ヒラタさん(仮名)。
蒲南茶荘から発送する荷物を、集荷にやってくるのだ。
運ちゃんと言えば、ごついイメージかあるかもしれないけど、
ヒラタさんは170cmくらいで細身、
姿勢はすっごくよくて歩幅は狭め。
いつも
「この荷物は重いなぁ・・・」
「今日は少ないな・・・」
っとボソッと一言、
シュールに残しさっていくのが得意技。
そしてもうひとつの隠し持った特技があって、
実はお茶の味が人並み以上、
いやむしろお茶屋バリに分かるということ。
そんなヒラタさんに、
ねぎらいのお茶で
おもてなしするのが小生、
お茶屋@和こと御年32歳独身、
こんにちは。
いつものように、
集荷作業を終え当然のように作業場の椅子に腰掛けるヒラタさん、
要するにその乾いた喉を潤さんとする「お茶」を要求している、
そう「お茶で一服タイム」を要求しているのだ。
そして座るやいなや、
何やら封書をちらつかせている。
そう、最近のヤマト便は、
集荷のついでに表のポストに入っている郵便物・封書類も、
持ってきてくれるのだ。
(注:ヒラタさんだけです)
「これ、早く見よう、見よう」っと、
子供のようにはしゃぐ様子を尻目に、
お茶の用意をはじめるわたくし。
ポットからまずは急須に湯通し、
これで洗い残りがあっても大丈夫。
続いて湯冷まし代わりに湯のみ2つお湯を注ぎ、
すぐさま見本用の茶缶から小ぶり急須の底が
ちょうど見えなくなるくらい茶葉を無造作にいれる。
いよいよ2つ湯のみから急須へお湯を注ぎ、
時を待たずして急須にさっと注ぎ分ける。
我ながら手慣れた手さばきにホレボレする・・・
わけもなく、
ヒラタさんは「早く見よう、早くー」と、
子供か!
淹れたてのお茶がはいった湯のみを
そそくさと差し出し、
封書を取り上げ裏面を見ると
「東京都茶協同組合」
の文字列が目にび込む。
はて、いつもの適当な・・・もとい、
大事なご案内かと思いきや、
よく見れば「調査報告書」と書き添えられている。
全く身に覚えのないこととはいえ「調査報告書」などといわれれば、
やはり気になるところ。
早速封を開けてみれば、
「平成21年度 新茶期 組合員販売茶報告書」
「(株)蒲南茶荘 様」
と。
続いて目に飛び込んできたのは
「貴店の調査結果」「1、内質・・・滋味」
「D」
「ふーん、Dね。・・・D!?」
「評価 D」と言われれば、
まっさきに思い返すのが大学時代の成績。
そう、まさに心臓の止まるような評価、
いや心臓が止まる評価、
これは落第点である。
しかもお茶業界において「滋味」と言えば、
まさに一番重要なポイントじゃん。
「Dだ!Dだ♪」
はしゃぐヒラタさんを無視して、
とりあえずこの事態を
となりの拝見場(お茶を審査する場所)にいる師匠に
報告せねばと席を立つお茶屋。
この結果はいくらなんでもマズいだろ、と。
(つづく)
*お茶屋のお話。
15時になるといつもやってくるヤマト便の運ちゃん、ヒラタさん(仮名)。
蒲南茶荘から発送する荷物を、集荷にやってくるのだ。
運ちゃんと言えば、ごついイメージかあるかもしれないけど、
ヒラタさんは170cmくらいで細身、
姿勢はすっごくよくて歩幅は狭め。
いつも
「この荷物は重いなぁ・・・」
「今日は少ないな・・・」
っとボソッと一言、
シュールに残しさっていくのが得意技。
そしてもうひとつの隠し持った特技があって、
実はお茶の味が人並み以上、
いやむしろお茶屋バリに分かるということ。
そんなヒラタさんに、
ねぎらいのお茶で
おもてなしするのが小生、
お茶屋@和こと御年32歳独身、
こんにちは。
いつものように、
集荷作業を終え当然のように作業場の椅子に腰掛けるヒラタさん、
要するにその乾いた喉を潤さんとする「お茶」を要求している、
そう「お茶で一服タイム」を要求しているのだ。
そして座るやいなや、
何やら封書をちらつかせている。
そう、最近のヤマト便は、
集荷のついでに表のポストに入っている郵便物・封書類も、
持ってきてくれるのだ。
(注:ヒラタさんだけです)
「これ、早く見よう、見よう」っと、
子供のようにはしゃぐ様子を尻目に、
お茶の用意をはじめるわたくし。
ポットからまずは急須に湯通し、
これで洗い残りがあっても大丈夫。
続いて湯冷まし代わりに湯のみ2つお湯を注ぎ、
すぐさま見本用の茶缶から小ぶり急須の底が
ちょうど見えなくなるくらい茶葉を無造作にいれる。
いよいよ2つ湯のみから急須へお湯を注ぎ、
時を待たずして急須にさっと注ぎ分ける。
我ながら手慣れた手さばきにホレボレする・・・
わけもなく、
ヒラタさんは「早く見よう、早くー」と、
子供か!
淹れたてのお茶がはいった湯のみを
そそくさと差し出し、
封書を取り上げ裏面を見ると
「東京都茶協同組合」
の文字列が目にび込む。
はて、いつもの適当な・・・もとい、
大事なご案内かと思いきや、
よく見れば「調査報告書」と書き添えられている。
全く身に覚えのないこととはいえ「調査報告書」などといわれれば、
やはり気になるところ。
早速封を開けてみれば、
「平成21年度 新茶期 組合員販売茶報告書」
「(株)蒲南茶荘 様」
と。
続いて目に飛び込んできたのは
「貴店の調査結果」「1、内質・・・滋味」
「D」
「ふーん、Dね。・・・D!?」
「評価 D」と言われれば、
まっさきに思い返すのが大学時代の成績。
そう、まさに心臓の止まるような評価、
いや心臓が止まる評価、
これは落第点である。
しかもお茶業界において「滋味」と言えば、
まさに一番重要なポイントじゃん。
「Dだ!Dだ♪」
はしゃぐヒラタさんを無視して、
とりあえずこの事態を
となりの拝見場(お茶を審査する場所)にいる師匠に
報告せねばと席を立つお茶屋。
この結果はいくらなんでもマズいだろ、と。
(つづく)
ヤマト運輸のおにぃちゃんたちってのは、人間味があって、人間観察するのも面白い素材(笑)ですよねぇ。
エッセー続編を期待しておりますですよ。\(^o^)/
by きゅんぱち (2018-10-27 12:42)
ウチに来るお兄さんも人懐っこくて、礼儀正しくて・・・「あれは将来、ドライバーで終わるヤツじゃないな」亡夫が無責任な発言!
続きが楽しみです。
by okko (2018-10-27 14:53)
あ~そうなんですね。
ほとんどお目にかかる機会がない私は残念(>_<)
by kuwachan (2018-10-27 22:37)
「つづき」、楽しみです!!
by 向日葵 (2018-10-28 00:25)
つづきがきになります。
by A・ラファエル (2018-10-29 10:22)
わ~~、どうなるんだろ~。
by nyan (2018-10-30 18:05)
こんにちは^^
ドライバーさんとお話する・・・チャンス無いわ。忙しそうに荷物を届けたらすぐ車に乗られます。
続はどうなるの?^^
by mimimomo (2018-10-31 12:20)